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感動の瞬間に何がおこっているのか(2000.3)
つねづね、 素晴らしい音楽体験の時に感じていた、私の感動というものは、 その音楽家から生じる音楽が、 彼の完全なる必然によってもたらされていると感じられるとき、 かつ、それが自己の中にある、またはあるであろう (それはその音楽を初めて聴く場合には存在のしようがないから) 音楽とのみごとなまでの融合を見せたときである。 その時、その音楽家と自己の「あいだ」には、 木村氏(注)の言うような「ある根源からの純粋に自然発生的な」ものが存在し、 それが確認される(自己の中で)事で、共感による感動 あるいは いやされるというような心の平安をもたらされるのではないか。 ※(注)木村 敏 「あいだ」(弘文堂思想選書)など |